病気

 ここでは寄生虫も病気として考えます。


白点病


リムフォシス
トリコディナ
穴あき病

白点病

 なんと言ってもよくかかるのは白点病とウーデニウムでしょう。この病気はクリプトカリオン・イリタンス(白点)とウーデニウム・オケラタム(ウーデニウム)という原生動物の中のせんもう虫類の一種が、魚の体に寄生することによって引き起こされます。見た目は白点の方が少し大きいぐらいで、症状はほとんど一緒なので考え方は一緒でいいと思います。

 この病気は魚の体表内に潜り込んだ虫がせんもうによる回転運動をしながら体液を吸っているので魚が痒がってやたらと体を堅いものにこすり付けます。

 私はこの病気は人間でいう風邪と同じ様なものだと考えています。なぜかというと、初めのうちは丈夫な魚はかかっておらず、体力の落ちている魚が多くかかります。そしてそのままほおっておくと体力のあった魚にまでうつっていくからです。

 ただし状態が落ち着いている水槽では、新しい魚を買い足さないかぎりこの病気はほとんど発生しません。

 予防法としては、新しく購入してきた魚には淡水浴をして体表についている白点虫を殺してしまう。レインボー・メカニカルフィルター等をつかって白点虫を濾過してしまう。(メカニカルフィルターは、20ミクロン(0.02ミリ)以上のものは濾過できますので、0.1〜0.3ミリある白点虫を濾しとることができるそうです。) オゾナイザーをつかって白点虫を殺してしまう。等が上げられるでしょう。オゾナイザーを使っておらずに白点病が出てしまったら、治療をするしかありません。

 治療の仕方は、銅関係を使用します。私が飼育を初めたころは、硫酸銅を使う以外に方法がありませんでしたし、銅テスターもありませんでしたので、水槽の水量から濃度を割り出していました。今では銅イオン(千寿製薬)、パラキュール(ランマックス)等の銅イオンや銅テスター単品が数社から発売されていますし、銅イオン数回分とテスターのセットになっているカッパーミニラボ(ランマックス)等が発売されています。硫酸銅は薬局に印鑑を用意して行き在庫がない場合は取り寄せてもらうしかありませんし、個人で使用するには量が多すぎます。硫酸銅は劇物に指定されていますので結構めんどくさいので、これらの製品を使用したほうがよいでしょう。

 これらの製品を使って、水槽中の銅イオン濃度を0.5ppm〜1ppmにします。これ以下でしたら白点虫もなかなか死んでくれませんし、長期間使用していると魚もストレスがたまり色抜け等の現象が出てきてしまいます。また、これ以上ですと魚にも危険です。

 銅イオンの添加方法で一番良いのは点滴法です。この方法はプラスチックの容器の底に穴をあけて銅イオンが少しづつ水槽内に溶け込んでいくというものです。魚にとっては一番良い方法なのですが、手間がかかってしまうので、5〜10分ぐらいかけて銅イオンを数回に分けて投入するようにしたほうがよいでしょう。そのほうが魚に与えるショックは一回に投入するよりも少なくてすみます。

 また、私の経験から白点虫は夜体から離れていることが多いようなので、夜蛍光灯を消す前に投入したほうが結果はよいようです。

 それから注意として、アクアセイフや活性炭などの吸着剤は使ってはいけません。アクアセイフは銅などの重金属を中和してしまいますし、吸着剤は銅イオンを吸着してしまいますので、ほとんど銅イオンの効果は消えてしまいます。当店のお客さんの中で、銅イオンが効かないという原因の中で一番多いのが、このことが原因のようです。


リムフォシス

 この病気はウィルスの一種が原因で起こります。

 初期の症状は白点病とそっくりなので見分けるのは難しいのですが、おもに初めのうちはひれの先にかかることが多いようです。症状は、初め白点病のように白い点が付き、それが段々大きくなり半透明のカリフラワーのようになってきます。この病気にかかったからといってすぐに治療を施さなくてはいけないというものではありませんので、慌てることはありません。

水槽が状態良く回っていれば自然に治ってしまうこともあります。かえってある程度の大きさになってからの方が治療はやりやすくなります。この病気の予防法も購入時の淡水浴とオゾンです。

 治療の行い方は、ある程度大きくなったリムフォシスを爪やピンセットなどで取ってやり、パラザンDやエルバージュ等の殺菌剤を適量淡水に入れた容器に泳がし、ティッシュなどで患部の水気をふき取り、そこにパラザンDや、エルバージュをアクアセイフでといたものを付けてあげてから水槽に戻します。これを何回か繰り返しているうちに治ってしまいます。それからパラゴンを説明書にしたがって投与するのもよいでしょう。

 このパラゴンは無脊椎水槽にも使用できます。スカンクシュリンプは無事でした。効果の方は、初期のものでしたら治っているようです。


トリコディナ

 アメリカのヤッコやクマノミがよくかかります。

この病気はせんもう虫の一種のトリコディナ原虫が体の一部に寄生しておこります。症状としては体の一部にうっすらと膜を被ったようになります。

 この病気は進行が結構早いうえ死亡率も結構高いので、できるだけ早期に発見して治療してください。魚を水槽に放す際の注意の所で書いた淡水浴が一番効くようです。硫酸銅は効きません。チョウチョウウオ等は比較的かかりにくいようです。予防法は、オゾナイザーの使用か、魚を水槽に放す際の淡水浴です。 


穴あき病

この病気は最近頻繁に見られるようになりました。(95.12現在)

最悪の場合死に至りますので、早期発見、早期治療を心掛けてください。

 症状としては、まず患部のウロコが逆立ち、だんだんと血がにじんできて、しだいにウロコが剥がれ落ちてきて、皮が溶けて下の筋肉が露出した部分に2次感染を起こして死亡してしまいます。

 しかし、この病気は伝染力はそれほど強くないようなので慌てて隔離する必要はありません。

治療の方法としては、病魚を海水を浸して軽く絞ったタオルの上に置き、タオルの端を折り返して目を覆ってあげます。このようにすれば大抵の魚はおとなしくなります。

 次に、もう一方の端で体全体を軽くこすってあげます。患部のウロコは剥がれやすくなっていますので、ボロボロとウロコが剥がれてきます。患部だけではなくて体全体をこするのは、症状が軽くてほとんど分からない部分もあるためです。

 このようにしてウロコが剥がれてきた場所からは血がにじんできます。その患部にパラザンDを直接垂らしてから水槽に戻してあげます。水槽に戻したときに、パラザンDが付いている部分が白くなりますが問題はないようです。後は魚の体力次第ですが、2-3週間ぐらいで治るでしょう。

 もう一つの方法は、まだ試していないのですが、パラザンD等のオキソリン酸系の薬品を使って薬浴する方法です。試していなかった理由は、パラザンDを直接海水の中に入れるとすぐに白く固まってしまったからです。パラザンDを真水で薄めてから入れてみましたが、薄めた比率が悪かったのかしばらくすると白く濁ってきてしまいました。以上のような理由で、この薬欲の方法はまだ試していないのではっきりしたことは言えませんが、できればトリートメントタンクで薬浴をすることをお薦めします。トリートメントタンクを用意できない場合は、ほかの魚の様子に注意をしながら行うか、荒治療になりますが前の方法をお薦めします。

このほかにもいくつかの病気がありますが、あまり発病しないようなので、ここにあげたもの以外の病気らしき症状が発生した場合は、相談してください。

最近、私が今まで海水魚を飼育してきた中で経験をしたことのない病気がちらほらと出てきていますので、そのような場合のために、「知っておきたい魚の病気と治療」という本をぜひ1冊持っていたほうが良いと思います。淡水魚と熱帯魚のことしか出ていませんが、海水魚にも参考になると思います。