無脊椎生物の飼育アドバイスです。


飼育アドバイスでは、飼育に関するおおまかなことがかいてありますので、参考にしてみて下さい。
また、このとおり飼育して死亡してしまった場合でもいっさい責任を負いません。あくまでも参考としてお読み下さい。あとは皆さんで工夫して飼育して下さい。


無脊椎生物の飼育は、海水魚の飼育から比べるとずいぶん簡単です。ただし、夏場の水温上昇には注意が必要です。

今まで難しいと言われていた原因や、注意する点は、

1. 無脊椎生物の飼育に適した人工海水がほとんど無かった。また、有ったとしてもとても 高価だった。

2. 魚ほど高水温に耐えられない。
3. 入荷の時期が限られていた。
4. 強い光が必要である。
5. 水流を強めにすること。
6. 色々な餌や添加剤を使い分ける。
7. レイアウトの仕方に注意が必要。
8. 魚を泳がすときに注意が必要。
等です。

1は、私も今まで色々な人工海水を使って来ました。マリンアート、シーライフ、マリンエンバイロンメント、ジャマリン、レッドシーソルト、トロピックマリン、アクアマリンS、等です。

 この中でも大別すると、1剤のものと2剤のものとに分けられます。1剤のものでもさらに湿式と乾式があります。湿式はアクアマリンSで、乾式はマリンアート1剤、シーライフ、ジャマリン、レッドシーソルト、トロピックマリンです。2剤のものは、2剤とも乾式のものと、乾式と液体のものがあります。2剤とも乾式のものは、マリンアート2剤で、乾式と液体のものマリンエンバイロンメントです。ほかにも色々ありますが、私が実際に使ったことのあるものはこのぐらいです。

 この中で、私が無脊椎飼育に一番お薦めするものは、トロピックマリンです。あまり頻繁に水換えをしなくても状態がいいです。ミドリイシの仲間も状態の落ち着いているものであれば死んでいません。

2は、無脊椎は高水温に弱いので、魚のように32℃を越えても何とか生きているというようなことはほとんどありません。このため、夏場にはクーラーは必需品です。ただし、注意してほしい点は、室温が高すぎるとクーラーは効かない、という点です。カタログにも外気温(室温)が32℃の時に25℃迄冷やせるのが何P迄というように書いてあります。これが室温が40℃だとかそれ以上であれば水温は下がりません。このようなときは、部屋のエアコンをつけて室温を32℃位にしてあげる必要が出てきます。それができない場合は、クーラー自体を室外に出して、パイプを回すしかありません。
 とにかく水温が30℃を越えると、無脊椎の飼育は不可能に近いので、これだけは注意してください。

3は、今でこそ安いクーラーが発売され大分普及しましたが、それ以前はほとんどの人が手が出ない高嶺の花でした。そのようなわけで、夏場はほとんどをだめにしてしまう人が多かったので、買う人が少なくあまり入荷もしてきませんでした。しかし、クーラーが普及したおかげでしょうか、夏場でも入荷してくるようになりました。

4は、無脊椎だけに言えることではありませんが、特に無脊椎には光が必要です。魚の場合は、光が不足すると色が褪せてくるということはありますが、それが原因で死んでしまうということはまずないと思います。しかし、無脊椎は深海系のものを除くとほとんどの種類が褐虫藻という原生動物が組織内に共生しているので、光さえ十分に当てていればまめに餌を与える必要はありません。また、私が無脊椎の方が魚よりも簡単だというのは、この共生藻に理由があったようです。本で調べたところ褐虫藻の光合成によってサンゴの排せつ物である二酸化炭素、アンモニア、リン酸を吸収して酸素を供給して生活環境を整える効果があるようです。

 大体の水槽は2灯式蛍光灯が2本は乗っかるので、そのぐらいは乗せたほうが良いでしょう。その時もただ付いているものを乗せるのではなく、蛍光灯は換えたほうが良いでしよう。組み合わせとしては、ニッソーのPG-B(ブルー)2本、PG-5(スーパークリアー)1本、PG-III1本、が良いと思います。

 また、最近流行のメタルハライドランプですが、こちらの方がはっきりいって良いのですが、値段が高い、発熱量がとても多い、蛍光色や緑色のものがあまり目立たなくなってしまう、等の問題があります。しかし、ミニマイト等の小型で強力なブルーライトがありますのでこれらと併用するか、最近では青みの強いランプも出ていますのでこちらを使用するとよいでしょう。

5は、無脊椎は自然界では潮通しの良いところに生息しているので、水槽の中でも水流は強めにしたほうが状態は良いようです。また、マイクロウェーブシリーズなどを使ってパワーヘッドなどを交互に使用して、水流の方向を変えてあげるのも良いでしょう。

6は、ハードコーラル(骨格のあるサンゴ)やハードチーブ等は成長するうえでカルシウムを必要としますし、深海系のキサンゴの仲間などは全く光合成をしませんので、餌をこまめに与えなくてはいけません。また、餌を良く取り込むタイプもあれば、餌をほとんど取り込まないタイプもあります。餌をほとんど取り込まないタイプは、ターゲットフードなどで強制的に餌を取り込ますこともできます。ある学者が行った実験で、A照明下で餌を与えた、B照明下で餌を与えない、C暗黒下で餌を与えた、D暗黒下で餌を与えない、ということを行ったところ、成長の良かったものはABCDの順になったという。(深海系のキサンゴの仲間は除く)  とにかく色々な添加剤と餌をうまく使ってそれぞれの水槽にあった管理をしてください。

7は、5で水流は強めと書きましたが、中にはあまり水流を好まない種類もありますし、逆にすごく強い水流を好む種類もあり一概にこのぐらいの水流が良いというものがありませんが、それぞれの種類にあった場所を見付けてレイアウトをするようにしてください。

 キサンゴ系は陰になる部分(洞窟のような部分)を作って、その中に入れてみるのも良いでしょう。また、天井の部分にひっくり返して付けてみるのも面白いのですが、餌やりが難しくなるのであまりお薦めできません。

8ですが、これは当たり前のことですが、大きくなる魚、無脊椎に悪さをする魚などは入れられません。それに、チョウチョウウオの仲間は全般的に入れてはいけません。この仲間は、必ずといっていいくらいサンゴを食べてしまいます。一緒に入れられる魚は、小形ヤッコの仲間、小型のハゼの仲間、カエルウオの仲間、ドティーバックの仲間、ハナダイの仲間等ですが、大型水槽の場合は小型の魚にこだわる必要はありません。これらの魚以外にも入れることのできる魚はいますのでお店でその都度聞いてください。

 魚を入れるうえでの重大な注意点は、魚の組み合わせを考えるということと、できるだけトリートメントタンクで病気の有無を確認するということです。せっかくいれた魚がけんかして殺し合ってしまっては何にもなりませんし、無脊椎水槽では薬はいっさい使用できませんので、注意してください。ただし、無脊椎水槽では自然と治ってしまうこともしばしばあります。

飼育システムは基本的には海水魚と同じですからそちらを参考にしてください。注意点としては、底に砂利を敷かないシステムの方が良いということです。岩をレイアウトして、その上に無脊椎をおくわけですから砂利の掃除ができなくなってしまいます。

 この他分からないことがありましたら何でも質問してください、分かる範囲で出来るだけお答えします。

最後に参考になるような本を挙げておきます。

飼育関連
ザ・海の無脊椎動物     ¥4.350
Das Optimale Meerwasser Aquarium 日本語版     ¥4.800

サンゴについて
サンゴの生物学     ¥1.648
サンゴ 不思議な海の動物     ¥1.288

図鑑
沖縄海中生物図鑑 第9巻 第10巻   各巻¥3.000

海水魚の部屋

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