はじめに

海水魚の飼育は決して難しくはありません。
基本さえしっかり押さえておけば、何でも飼えるようになります。

熱帯魚に比べて難しいと思われる点は、

1. 水槽の立ち上がりが遅い。

2. 環境の変化に敏感。
3. 魚の組み合わせに注意が必要。
4. 食性の違いに注意が必要。
5. 病気にかかりやすい。
以上だと思います。

1.は、飼育してみて分かることですが、水槽セット直後はアンモニア、亜硝酸の濃度が高くなることがよくあります、私の経験からはアンモニアの濃度より、亜硝酸の濃度の方がなかなか減らないように思います。このことから、アンモニアを亜硝酸に変えるバクテリアよりも亜硝酸を硝酸に変えるバクテリアの方が繁殖が悪いようです。
 対策としては、セットを買ったお店で種砂を少し分けてもらい、ザイム、バイコム等の好気バクテリアの元を入れるとよいでしょう。(ちなみにPSBは嫌気バクテリアです。)
 それからよく勘違いされているのは、水槽セット直後は魚を入れずに1週間ぐらいは海水を回したほうがいいという考えです。バクテリアも生き物ですから餌のない状態のところでは、生きていけません。餌のない状態のところでは、休眠状態にはいるか、最悪死んでしまいます。これを防ぐには、セット直後からでも種砂、バクテリアの元を入れた場合は、少しだけ魚を入れたほうがいいでしょう。

 2.は3と関係してきますが、お店ではあんなに元気で、餌もよく食べていたのにうちの水槽にいれたら元気がなくなって、餌も食べなくなってしまった、という話をよく聞きます。(逆の場合もあります。)まず考えられるのは、魚の組み合わせです。これは同じ種類であっても個体差があるので一概にはいえませんが、この種はすぐに環境に馴染むがこの種は馴染みにくいというのがあります。神経の図太い奴はすぐに馴れて餌もよく食べるようになりますが、神経の細い奴はいつまでたっても元気がなく餌も食べずにどんどん痩せていって、ついには死んでしまいます。しかし、魚の組合せ次第では、神経の細い奴でもけっこう餌を食べてくれるようになることもありますので、そのへんを気を付けて入れる魚を選んでください。
これから海水魚を始める人とか、始めて間もない人は安い魚ではなく、安くて丈夫な魚、高くても丈夫な魚から始められることをお薦めします。

3は、魚によって気の強いもの、気の弱いものがいます。先に気の強いものを入れてしまうと、後から入れた気の弱いものをいじめ殺してしまいます。しかし、気の弱いものを先に入れておいた場合は、気の弱いものが強くなって、後から入れた気の強い魚を追いかけ回すようになります。(必ずとはいえませんが。) それから、気の強い魚を小さくして、気の弱い魚を大きくするという方法もあります。値段の高い安いだけで魚を入れていくとなかなか組み合わせがうまくいかずに、失敗してしまうことになってしまいます。まず初めに、こういう水槽にしたいということをはっきりと決めておとくか(カリブ海の水景にしたい、紅海の水景にしたい等)、この魚だけはどうしても飼いたいからこの魚をメインにした組み合わせを考えたい、ということをはっきり決めたほうが失敗は少なくなります。

4は、海水魚には何でも食べる魚、海草を好んで食べる魚、サンゴのポリプを好んで食べる魚、プランクトンを好んで食べる魚、等色々なものを食べる魚がいます。
何でも食べる魚などはよいのですが、それ以外の物を好んで食べる魚は餌付けでけっこう苦労します。海草を好んで食べる魚は水槽内に生えた苔を食べ、プランクトンを好んで食べる魚は冷凍のブラインュリンプなら食べてくれます、しかし、サンゴのポリプを好んで食べる魚は他の餌をなかなか受け付けてくれません。しかし、このような魚でもあさりの殻付なら結構食べてくれます。ところが、このあさりの殻付は他の魚たちにも結構なご馳走らしく、他の魚たちばかりが食べてしまってかんじんの魚が食べられなくなってしまいます。それに、水の汚れるのも早くなりますので、このような魚はそれだけを集めた水槽を用意できる人か、中級以上(何を基準に中級というのか分かりませんが、とりあえず何でも食べてくれる魚を半年以上飼うことができたら)になってからの方がいいと思います。

5は、海水魚飼育で日常茶飯事起こることです。ただし、状態の落ち着いている水槽で、新しい魚を買い足さない場合は除きます。
一番よく出るのは白点病です。これは、人間で言う風邪と同じようなものだと私は思っていますが、状態を崩した魚がよくかかります。状態がよい魚は、同じ水槽の中に病気の魚がいても平気な場合があります。この病気は、白点虫がさかなの表皮の中に寄生する病気です。こうなると魚が痒がって水槽のあちらこちらに体をこすり付ける動作をします。体の表面に白い点々を見つけて、このようなしぐさをしている魚を見つけたら治療をしてあげます。治療の仕方は、後でまとめて説明をします。
次に、リムフォシスです、これも結構かかりやすいです。別名カリフラワー病といって鰭の先などに白い点のようなものが付き、しだいに大きくなっていきこれをつっ突いた魚の口にもうつり、段々大きくなっていき、しまいには餌が食べられなくなってしまい死んでしまいます。
それと、トリコディナという病気も厄介です。これは体の表面にうっすらとかびのようなものが生えしだいに広がり、ついには皮膚が化膿して肉が見えて死んでしまいます。
他にも色々な病気がありますが、主だったものはこれぐらいですのでよく魚を観察して、早期発見早期治療を心掛けてください。そうすれば比較的簡単に直すことができます。